アキュムレータ 【accumulator】
概要
アキュムレータ(accumulator)とは、蓄積するもの、蓄圧器、蓄電池、蓄財家などの意味を持つ英単語。半導体の分野では、マイクロプロセッサなどの内部でデータを記憶するレジスタの一種で、論理演算や算術演算の結果を一時的に保持しておくためのものをアキュムレータと呼ぶ。「累算器」「積算器」と訳されることもある。あるデータに対していくつかの演算を連続して行うという状況は非常に多く発生するが、このとき前の命令の演算結果を次の命令が受け取るのにいちいちメモリにアクセスするのは非効率なため、プロセッサ内部で高速にデータの受け渡しができるように設けられている。
古い時代のコンピュータでは、基本的な算術演算などを行う命令の多くが、引数に指定された値やメモリアドレスの内容とアキュムレータに保存されている値で演算(加減乗除など)を行い、結果をアキュムレータに上書きするという動作になっていた。
マイクロプロセッサの時代になると演算命令の対象や結果の格納先としてアキュムレータ以外も広く指定できるようになっていき、アキュムレータは単なる汎用のデータ保管用レジスタの一種に過ぎなくなった。ただし、製品によっては一部の命令で暗黙のうちにアキュムレータを対象とするものが残っている場合もある。
パソコン向けなどで広く普及している米インテル(Intel)社のx86/x64系プロセッサやその互換製品の場合、8ビットプロセッサの時代にアキュムレータとしてAレジスタが設けられ、その後16ビットのAXレジスタに、32ビットのEAXレジスタに、64ビット(x64)のRAXレジスタに、それぞれ拡張されてきた。
(2019.11.28更新)