SMP 【Symmetric Multiprocessing】 対称型マルチプロセッシング
概要
SMP(Symmetric Multiprocessing)とは、一台のコンピュータに複数のCPU(マイクロプロセッサ)を搭載するマルチプロセッシングの構成の一つで、同等の機能を持つプロセッサが対等な立場で処理を分担する手法。一つのシステムに複数のCPUやプロセッサコアがあり、それらに特別な役割や主従関係などがなく対等、対称な関係になっているシステムをSMPという。処理要求はすべてのプロセッサになるべく均等に割り当てられる。
単一のCPUやプロセッサコアがすべての処理を進めるシングルプロセッサ構成に比べ、処理を分散して並列に進めることができ、処理性能が飛躍的に向上する。同時に複数のプログラムが実行されるため、メモリ領域など資源の利用が競合しないよう調整なければならず、オペレーティングシステム(OS)など制御側のソフトウェアの複雑性は増大する。
古くは大規模コンピュータシステムで研究されていた技術だが、2000年代には一般的なパソコンやサーバなどのオペレーティングシステム(OS)もSMP対応型となり、2010年代にはスマートフォンなど小型機器向けを含むほとんどのCPU製品が複数のプロセッサコアを持ちSMPで動作する仕様となっている。
AMP/ASMP (非対称型マルチプロセッシング)
マルチプロセッシングの方式の一つで、複数のプロセッサの間で役割分担や制御-非制御の関係などが存在し、対称な関係になっていないような方式を「非対称型マルチプロセッシング」(Asymmetric Multiprocessing:AMP/ASMP)という。
「OSを実行するCPUとアプリケーションソフト実行するCPU」「システムを制御するCPUと周辺機器との入出力制御のためのCPU」といったように、機能や役割があらかじめ決まっている構成を指す。1960~70年代の大型コンピュータで性能向上のために2基目のCPUを搭載する際によく用いられた手法である。
(2024.9.9更新)