スーパーパイプライン 【super-pipeline】

概要

スーパーパイプライン(super-pipeline)とは、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)の高速化手法の一つで、命令を細かい工程に分解して並列に実行するパイプライン処理を、高度に細分化・多段化したもの。

プロセッサが一つの命令を実行するには、命令の読み出し、データの読み出し、演算、結果の書き込み、などのように複数の工程を経るが、各工程の処理機構を独立して動作させ、流れ作業的に前の命令のサイクルが終わる前に次の命令を処理し始める方式を「パイプライン処理」(パイプライン制御)という。

一般的なパイプライン機構は5段階前後で構成されることが多いが、スーパーパイプラインといった場合にはより小さな処理単位に細分化され、10段階以上の工程に分解される。多くの命令を並列に実行できるが、分岐予測にミスした場合のペナルティなども大きくなるため、増やせば増やすほど性能が向上するわけではない。

最も極端なパイプラインを持つことで有名な米インテル(Intel)社の「Pentium 4」(ペンティアム4)プロセッサは20段構成のパイプラインを持ち、同社はこれを「ハイパーパイプライン」(Hyper Pipelined Technology)と称した。

(2020.2.1更新)

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