8コアCPU【8-core CPU】オクタコアCPU/octa-core CPU
8コアCPUとは?

CPUはかつて1チップに1コアのみを持つ「シングルコア」構成が主流であったが、動作周波数の向上による性能改善に限界が生じたことから、1チップ内に複数のコアを集積する「マルチコア」設計が普及した。オクタコア(8コア)は「デュアルコア」(2コア)、「クアッドコア」(4コア)、「ヘキサコア」(6コア)などと並ぶマルチコア構成の一つである。
8つのコアは互いに独立して動作し、それぞれが異なる処理を同時に実行できる。動画編集や3Dレンダリング、ソフトウェアのコンパイルといった並列化しやすい処理では、コアに作業を分散させることで処理時間の短縮が見込める。複数のアプリケーションを同時に動かすマルチタスク環境でも、各処理を別々のコアに割り振れるため動作が滞りにくくなる。同時マルチスレッディング技術(Intel社のHyper-Threadingなど)に対応した製品では、1つのコアが2つの命令の流れ(スレッド)を並行処理できる。この場合、コア数は8でもスレッド数は16となり、さらに多くの並列処理が可能になる。
ただし、コア数が多ければあらゆる処理が速くなるわけではない。マルチコアの性能を引き出すには、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションが並列処理に対応している必要がある。処理を細かく分割できない構造のプログラムは特定のコアしか稼働せず、残りのコアは待機状態になる。また、キャッシュメモリや外部インターフェースなどコア以外の回路はチップ内で共有されるため、シングルコアCPUが単純に8つあるのと同じ挙動にはならない。コアあたりの動作周波数や設計世代も総合的な性能を左右する要素である。
近年のパソコン向けCPUでは、米インテル(Intel)社のCoreシリーズや米AMD社のRyzenシリーズの中級以上のモデルを中心に8コア構成が広く採用されている。スマートフォンやタブレット向けのARM系プロセッサでも8コア構成は一般的であり、高性能コアと省電力コアを組み合わせた「big.LITTLE」方式によって処理能力と電池持ちを両立させる設計が多く用いられている。