マイクロプログラム【microprogram】
概要

CPUが実行するコンピュータプログラムは機械語の命令を並べた形式になっているが、CISC方式のプロセッサでは複雑な挙動を行う命令が存在し、すべての命令に一対一に対応する実行回路を用意することが現実的でない場合がある。
このような場合に、プロセッサ内部の専用の回路が読み込んだ命令を単純な動作のマイクロコードの列(マイクロプログラム)に分解し、マイクロコードの実行回路を用いて命令を実行していくという方式が用いられる。
マイクロプログラム方式の利点として、内部構造(マイクロアーキテクチャ)が大きく異なるプロセッサ間でも命令セットの互換性を確保しやすく、同じメーカーの新製品が回路設計を刷新して機能や性能を向上しつつ過去の製品との互換性(後方互換性)を維持するのに役立つ。
一方、単純な機能の命令のみで機械語の命令セットを構成するRISC方式のプロセッサでは、マイクロコードに分解しなくてもすべての命令について実行回路を用意できるため、マイクロプログラム制御方式を利用しない構造が一般的である。
(2021.7.15更新)