パワーゲーティング 【power gating】
概要
パワーゲーティング(power gating)とは、半導体チップの省電力機能の一つで、使われていない回路ブロックへの電力供給を一時的に遮断するもの。回路は複雑になるがリーク電流の発生を抑え、省電力化することができる。一般的なロジック回路には常に電力が供給され続けるため、使われいない回路も常に電力を消費する。パワーゲーティングでは専用の制御回路を設け、使われていないブロックへの電力供給をオフにする。再びそのブロックが使用される際には電力供給を再開する。
ブロックの規模(粒度)は設計時に決定される。規模が小さい方がこまめに電力を遮断できるが、パワーゲーティングの制御回路自体にも素子や配線が必要なため、あまり小さな規模ではチップ面積当たりのオーバーヘッドが大きくなる。遮断や復帰には時間を要するため、回路間のタイミングを合わせるのが困難になる問題もある。
似た技術に「クロックゲーティング」(clock gating)があり、こちらは動いていない回路にクロック信号を供給するのを一時的に停止する手法である。チップ内には論理回路間の動作タイミングを合わせるためのクロック信号を分配する長大な回路が張り巡らされているため、クロック信号を止めるだけでも大きな省電力効果となる。
(2024.7.31更新)