ワイヤードロジック【wired logic】結線論理
別名 :ハードワイヤード/hard wired
概要

命令ごとに対応する固有の回路をチップ上に直接配置し、入力された命令コードをそのまま電気信号として回路に流すことで処理を進める。加算器や比較器、シフト回路などを命令単位で構築し、クロックに同期して信号を伝播させる仕組みである。制御のオーバーヘッドが小さく、同等の機能をソフトウェア的に分解する方式と比べて高速な動作が可能である。パイプライン処理とも組み合わせやすい。
命令の種類を増やすほど対応する物理回路も増えるため、複雑な命令セットをそのまま実装しようとすると回路規模が急激に拡大し、設計や製造のコストも増加する。そのため、命令の種類を少数の単純なものに絞り込んだRISC型プロセッサの実行部で多く採用されている。
対照的な方式が「マイクロプログラム制御方式」である。各命令を「マイクロコード」と呼ばれる単純な動作の命令列に内部で分解し、順番に実行する。命令の動作をプログラムとして定義するため命令の追加や変更に柔軟に対応できるが、変換と読み出しの過程が介在する分、ワイヤードロジックより実行速度は劣る。複雑な命令セットを持つCISC型プロセッサで多く用いられる。
現代のプロセッサではこれら二つの方式が明確に分離されているわけではなく、CISC型であっても出現頻度が高い命令や遅延が許されない処理にはワイヤードロジックを部分的に組み込む設計が一般的である。キャッシュ制御やパイプライン制御など固定化が可能な処理にも適用され、マイクロプログラム制御方式と併用されている。
(2026.6.22更新)