Turbo Boost 【Intel Turbo Boost Technology】 ターボブースト
概要
Turbo Boost(Intel Turbo Boost Technology)とは、米インテル(Intel)社のマイクロプロセッサ(CPU/MPU)製品に組み込まれた高速化機能の一つで、発熱量に応じて動的に動作周波数を変動させる技術。動作環境や処理内容によって定格よりも高速に動作させることができる。コンピュータ内部の装置やCPU内部の回路はクロック信号(clock signal)と呼ばれる一定周期の信号に合わせて処理やデータ伝送を行っている。この信号の周波数が高い(周期が短い)ほど高速に動作させられるが、高すぎると発熱量が増えて装置の温度が高くなり、故障・破損の原因となるため、装置ごとに上限が決まっている。
一般的なCPU製品の多くは出荷時に定められた上限周波数に従って、起動時に設定された上限以下の一定の周波数で動作するが、Turbo Boost機能を内蔵した製品は、現在のチップの温度や発熱量を常に計測・監視し、安全に動作する範囲内で動的に周波数を向上させて高速に動作することができる。特に、処理装置(プロセッサコア)が複数内蔵されたマルチコア製品で、処理が集中して負荷が高まっているコアだけ、一時的に高速化することができる。
当初はIntel Coreシリーズの最上位モデルのCore i7、中位モデルのCore i5に搭載されたが、その後、新たな最上位モデルのCore i9やモバイル製品向けのCore M、サーバ製品向けのXeonなどにも採用が広まった。米AMD社では同様の可変クロック技術を「Turbo CORE」(ターボコア)と呼んでいる。
(2019.4.12更新)