マウスホイール【mouse wheel】スクロールホイール/scroll wheel

一般的なマウスは上面に左右2つのボタンを備えるが、その中間に垂直に埋め込まれるように設置されている硬貨大の円盤がマウスホイールである。表面はタイヤのようにゴムやプラスチックで覆われ、上部のみが露出している。
露出した部分に指を当てて前方または後方に回転させると、その回転量と方向が信号としてコンピュータ本体へ伝達される。多くの製品では一定量回すごとに信号を発生させる方式が採用されているが、回転量を連続的に検出できる高精度な機構を備えたものもある。
最も一般的な用途は、マウスポインタが置かれたウィンドウや文書の上下スクロールで、前方に回せば表示領域は上方向へ、後方に回せば下方向へ移動する。これに加えて、Ctrlキーなどの修飾キーを押しながら回転させることで画面の拡大・縮小を行ったり、数値入力欄の値を増減させるなど、ソフトウェアごとに異なる機能が割り当てられている場合もある。
ホイール自体を垂直に押し込むことで、中央ボタンとして機能する機種も多い。Webブラウザではリンクを新しいタブで開く操作や、マウスを動かすだけで画面が流れる自動スクロールモードへの切り替えに利用されることがある。CADや3Dグラフィックスソフトウェアでは、中央ボタンを押しながらマウスを動かして視点を移動するパン操作に使われる例もある。
回転時に段階的なクリック感が得られる「ラチェット式」と、抵抗を抑えて高速に回転させられる「フリースピン式」とを切り替えられる製品も存在し、長大な文書を一気に閲覧する際などに役立つ。また、前後方向の回転に加え、左右にわずかに傾けられる構造を持つ「ティルトホイール」(チルトホイール)型の製品もあり、これを用いると上下方向のスクロールだけでなく、横に長い表計算シートなどで使われる左右方向のスクロールも同じホイールで行える。
ホイールが無い、あるいは押し込みによるボタン機能を持たないマウスも存在するため、ホイールを用いた操作はソフトウェアの基本機能としては扱われない。多くのソフトウェアは、マウスホイールが無くても主要な操作を実行できるよう設計されており、ホイールはあくまで作業効率を高める補助的な入力手段として位置づけられている。