ACPI 【Advanced Configuration and Power Interface】
概要
ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)とは、コンピュータの電源管理やハードウェアの構成管理を行うための標準規格の一つ。オペレーティングシステム(OS)側から高度な電源制御を行うことができる。マザーボード上の装置の構成をOS側から把握し、設定や制御を行う標準的な仕様を定めている。特に、ソフトウェアからの電源や省電力モードの制御、機器ごとの細かな動作状態(温度など)の把握や電源や動作モードの制御などを行う電力管理機能のことを指してACPIと呼ぶことが多い。
ACPIではシステム全体の稼働状態を「S0」から「S5」までの6段階で定義している。S0は通常の稼働状態、S1は通電したまま動作を一時停止するスタンバイ、S2はスタンバイとスリープの中間、S3はメインメモリ(RAM)以外の電源を落とすスリープ(STR:Suspend To RAM)、S4はメモリの内容をストレージに退避して電源を切るハイバネーション(STD:Suspend To Disk)、S5は完全な電源断(シャットダウン)状態である。
ACPIはx86系プロセッサなどを搭載した一般的な仕様のパソコンなどで採用されており、利用するにはコンピュータ本体のBIOSやUEFI、制御される各装置、OSのすべてが対応している必要がある。
最初の規格は1996年に米インテル(Intel)社、米マイクロソフト(Microsoft)社、東芝の三社により策定され、それまでのAPM規格に代わって普及した。2000年にバージョン2.0、2004年に3.0、2009年に4.0、2011年に5.0と改訂を重ね、2013年には上記三社を含む企業連合からUEFI Forumに移管された。
APM (Advanced Power Management)
ACPI以前に普及していた、パソコンの電源の管理・制御に関する標準規格。1992年に米インテル(Intel)社と米マイクロソフト(Microsoft)社が共同で策定した。
OSなどのソフトウェアがパソコンの電源機能を操作するための技術標準を定めたもので、ソフトウェア側から電源の切断や、メモリの記憶内容を保持したまま一時停止して電力消費を抑えるサスペンド状態への移行などを実行することができる。
これにより、ノートパソコンなどで長時間操作がないときに自動的にサスペンドするといった動作が可能になった。デスクトップ型など据え置き型のパソコンでも、利用者のOS操作で電源を切るといった用途のために用いられた。