オーバークロック 【overclocking】 クロックアップ / OC
概要
オーバークロック(overclocking)とは、CPU(マイクロプロセッサ)などの半導体チップを、製品ごとにあらかじめ設定された定格の動作周波数よりも高い周波数で動作させること。高価な上位モデルと同じか、それを超える性能に引き上げて使用することができるが、過熱して破損するリスクがある。CPUやGPUなどの製品は同じように製造された製品でも個体ごとに品質にバラつきがあり、性能試験を経て高いクロック周波数で動作可能な個体と低い周波数にしか耐えられない個体に選別される。製品は何段階かに分類され、それぞれ余裕(マージン)を見込んで動作周波数が設定され、出荷される。
安価な低い周波数の製品を購入し、既定値を超える周波数に設定を変更して使用すれば、高価な上位モデルと同等の性能を引き出すことができる。これがオーバークロックで、自作パソコンなどの上級者がコストを抑えて高い性能を得るテクニックとしてよく用いられる。
定格の周波数は不具合が現れる限界値より手前に設定されているため、わずかなクロックの引き上げであれば大半の製品が耐えられるが、上位モデルに匹敵する大きな引き上げを行うと、動作が不安定になったり内部の回路が熱で破損する危険がある。このため、通常より強力な冷却装置などを併用することが多い。
オーバークロックはメーカーが推奨しない使用方法であり、実施した製品は保証の対象外となるのが一般的であるため、自己責任で行う必要がある。近年では、処理の負荷が上昇すると一時的に通常より高い周波数に自動的に引き上げて高速化するブースト機能を搭載したCPU製品もある。この場合は製品の機能としてクロックの引き上げを行っているため、破損の心配はなく保証等にも影響はない。ちなみに、英語では一般に “overclocking” と言い、「クロックアップ」は和製英語。
(2022.10.6更新)