PCIカード 【PCI card】 PCIデバイス / PCI device
概要
PCIカード(PCI card)とは、コンピュータの主基板(マザーボード)に差し込んで特定の機能を追加する拡張カードの種類の一つで、PCIバスで通信を行うもの。マザーボード側のカード差込口は「PCIスロット」という。表面にICチップや半導体素子、配線などが実装された小型の電子基板で、固有の機能をコンピュータに追加することができる。接続端子はカードの四辺の一つの全体に渡って小さな金属端子が並んだエッジコネクタとなっており、これをマザーボード側のスロットに深く差し込むことで固定することができる。
また、別の一辺は筐体背面から露出する構造のため金属製のカバー(ブラケット)となっており、ここにコネクタ類(外部にケーブルを接続するカードの場合)やスイッチ、ボタンなど外に露出したい部品が配されている。
標準で133MB/s(メガバイト毎秒)、最高で533MB/sでの通信が可能であり、ビデオカードやグラフィックスアクセラレータ、ビデオキャプチャカード、サウンドカード、ネットワークカード(NIC/LANカード)、インターフェースカード(SCSIカードなど)などとして用いられた。後にビデオカードについては専用のAGPカードが標準的に利用されるようになった。
1990年代後半にそれまで標準的に用いられてきたISAカードを置き換えてパソコン向けの拡張カードの標準規格として普及したが、2000年代中頃には後継のPCI Expressカードが台頭し、次第に置き換えられていった。
カードのサイズ
標準のカードは幅が107mm、長さ(奥行き)が312mm(フルサイズ)あるいは173mm(ハーフサイズ)で、実際の製品にはハーフサイズのカードがよく用いられた。また、小型の機器に内蔵できるようスロットの規格はそのままにカードサイズを縮小した「ロープロファイルPCI」仕様が規定されており、幅が64mm、長さが120mmあるいは168mmまでと規定されている。
ロープロファイルカードの中には、筐体背面に固定するブラケットがロープロファイル用と標準サイズの2種類付属しており、どちらの製品にも対応できるようになっているものもある。