オンボード 【on-board】 オンボ
概要
オンボード(on-board)とは、コンピュータの特定の機能が、主基板(マザーボード)上に設置されたICチップにより提供されること。拡張カードや周辺機器などで機能を追加しなくてもよいことを意味する。俗に「オンボ」と略されることがある。機能がオンボード化することにより、個別にカードなどを追加する場合より全体のコストやスペースを削減でき、基本的な機能のために専有されていた拡張スロットなどが空くため拡張性が向上する。基板に統合された機能は動作確認されて出荷されるため、追加するカードのマザーボードや他のカードとの相性問題などに悩まされることもない。
一方、オンボードあるいはCPUなどの「オンチップ」(ICチップ内蔵)に集約された機能は性能などが一般的な使用法に最低限必要なだけしか用意されないことも多いため、あえて追加で高性能な拡張カードなどを搭載することがある。
例えば、3DCGを多用するゲームをデスクトップパソコンで遊びたい場合はオンボードグラフィック機能では性能が不足することが多いため、高性能なGPUを搭載したビデオカードを追加してオンボードの機能は無効に設定することが多い。
歴史
1980年代の初期のパソコンのマザーボードにはチップセットなどの制御用ICの他にはCPUやメモリ、拡張カードの差込口(ソケット/スロット)くらいしかなく、グラフィックス機能、サウンド機能、通信・ネットワーク機能、入出力装置や周辺機器との通信ポート、ストレージ(外部記憶装置)の制御チップやコネクタなどはすべて拡張カードなどの形で後から追加する方式だった。
これらの機能は次第にチップセットの機能となったり、基板上に専用の制御用チップを設け、別途カードなどを用意しなくても標準で利用できるようになっていった。近年では通常の使用方法で必要となる機能のほとんどがオンボードで提供されるようになり、他の方式と対比する機会が減ったため、オンボードという言葉も使用頻度が減っている。
(2024.2.27更新)