スーパーバイザーパスワード【supervisor password】
概要

コンピュータの起動時にファームウェアレベルで認証を行う仕組みは、「パワーオンパスワード」と総称される。これはオペレーティングシステム(OS)の機能ではなく、マザーボードのファームウェアに組み込まれた機能であり、正しいパスワードを入力しない限りOSの起動すら行えない。企業などでコンピュータが不正に操作されたり盗難されたりした際の保護手段として用いられる。
パワーオンパスワードには、利用者本人が使用する「ユーザーパスワード」と、管理者が使用する「スーパーバイザーパスワード」の2種類がある。ユーザーパスワードはOSの起動を許可するものだが、スーパーバイザーパスワードはそれに加えてファームウェアの設定情報の閲覧・変更や、ユーザーパスワードの設定・変更も可能にする。
スーパーバイザーパスワードによる保護はOSのセキュリティ機能とは独立して機能する。ストレージを取り外して別のコンピュータに接続したり、外部メディアから別のOSを起動しようとしたりしても、パスワードによる保護を回避することはできない。また、パスワードの情報はマザーボードの不揮発性メモリに記録されるため、OSを再インストールしても消去されない。ただし、CMOSクリアなどの物理的な操作によって解除される可能性もあり、単独で完全な防御手段となるわけではない。
この機能はコンピュータの機種によって搭載状況が異なる。主に法人向けモデルに組み込まれており、店頭で販売される個人向け・家庭向けモデルでは省かれることが多い。近年のUEFI環境では、同様の機能が「管理者パスワード」や「セットアップパスワード」といった名称で提供されることもあり、呼称や構成はメーカーごとに異なる。
(2026.6.16更新)