読み方 : パイプラインしょり

パイプライン処理 【pipeline processing】

概要

パイプライン処理(pipeline processing)とは、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)内部での命令実行方式の一つで、一つの命令を複数の段階に分割してそれぞれを別の回路で実行することにより、いくつかの命令の実行を並行して進める方式。
パイプライン処理のイメージ画像

解説 プロセッサ内部での一つの命令の実行は、命令の読み込み(フェッチ)、解釈(デコード)、実行など複数の段階からなるサイクルで構成されている。単純な構造のプロセッサでは前の命令実行のすべての段階が終了しなければ、次の命令に取り掛かることができない。

これに対し、パイプライン機構を備えたプロセッサは各段階のユニットを独立に制御でき、前の命令がデコードに移ったら次の命令をフェッチするといった動作が可能になる。理論的には実行段階の数(通常3~6段階程度)と同じ数の命令を同時に実行状態に起くことができ、一命令あたりの実行時間を大幅に短縮することができる。

各段階をさらに細かく分割し、それぞれにユニットを割り当てる方式を「スーパーパイプライン」と呼び、10段以上の深さのパイプラインを構成する場合もある。最も極端なパイプラインを持つことで有名な米インテル(Intel)社のPentium 4(ペンティアム4)プロセッサのパイプラインは20段構成となっており、同社はこれを「ハイパーパイプライン」と称した。

(2018.4.23更新)

他の用語辞典による「パイプライン処理」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「パイプライン処理」の出題履歴

▼ 基本情報技術者試験
令7修7 問8】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
令5修7 問8】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
令5修1 問12】 パイプライン制御の特徴はどれか。
令3修12 問12】 パイプライン制御を適切に表しているものはどれか。ここで,図中の記号Dは解読,Eは実行,Fは命令フェッチとする。
令2修12 問11】 RISCプロセッサの5段パイプラインの命令実行制御の順序はどれか。ここで,このパイプラインのステージは次の五つとする。① 書込み② 実行とアドレス生成③ 命令デコードとレジスタファイル読出し④ 命令フェッチ⑤ メモリアクセス。
令2修7 問11】 全ての命令が5ステージで完了するように設計された,パイプライン制御のコンピュータがある。20命令を実行するには何サイクル必要となるか。
令1修6 問10】 パイプライン制御を適切に表しているものはどれか。ここで,図中の記号Dは解読,Eは実行,Fは命令フェッチとする。
平31修1 問10】 RISCプロセッサの5段パイプラインの命令実行制御の順序はどれか。ここで,このパイプラインのステージは次の五つとする。① 書込み② 実行とアドレス生成③ 命令デコードとレジスタファイル読出し④ 命令フェッチ⑤ メモリアクセス。
平30修1 問10】 パイプラインの深さをD,パイプラインピッチをP秒とすると,I個の命令をパイプラインで実行するのに要する時間を表す式はどれか。
平29修12 問10】 CPUのパイプライン処理を有効に機能させるプログラミング方法はどれか。ここで,CPUは命令の読込みとデータのアクセスを分離したアーキテクチャとする。
平28修12 問9】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
平28修6 問9】 パイプライン制御を適切に表しているものはどれか。ここで,図中の記号Dは解読,Eは実行,Fは命令フェッチとする。
平28春 問10】 RISCプロセッサの5段パイプラインの命令実行制御の順序はどれか。ここで,このパイプラインのステージは次の五つとする。① 書込み② 実行とアドレス生成③ 命令デコードとレジスタファイル読出し④ 命令フェッチ⑤ メモリアクセス。
平27修12 問9】 パイプライン制御の特徴はどれか。
平27修1 問9】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
平26修6 問10】 CPUのパイプライン処理を有効に機能させるプログラミング方法はどれか。ここで,CPUは命令の読込みとデータのアクセスを分離したアーキテクチャとする。
平25修6 問10】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
平25修1 問9】 全ての命令が5サイクルで完了するように設計された,パイプライン制御のコンピュータがある。20命令を実行するには何サイクル必要となるか。
平24修12 問11】 CPUのパイプライン処理を有効に機能させるプログラミング方法はどれか。
平24修7 問10】 パイプライン制御の特徴はどれか。
平23修6 問10】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。
平23修1 問11】 コンピュータの高速化技術のうち,一つの命令をn個の独立な処理段階に分割し,各処理段階を並行に実行できるようにして,複数の命令をオーバラップさせて実行する方式はどれか。
平22修12 問9】 あるコンピュータでは,1命令が表のステップ1~6の順序で実行される。パイプライン処理を利用して5命令を実行すると,何ナノ秒かかるか。
平22秋 問10】 パイプライン制御の特徴はどれか。
平22修7 問9】 次の図のうち,パイプライン制御の説明として適切なものはどれか。ここで,図中の各記号の意味は次のとおりである。F:命令呼出し,D:解読,A:アドレス計算,R:オペランド呼出し,E:実行。
平21春 問11】 プロセッサにおけるパイプライン処理方式を説明したものはどれか。