パイプライン処理 【pipeline processing】
概要
パイプライン処理(pipeline processing)とは、マイクロプロセッサ(MPU/CPU)内部での命令実行方式の一つで、一つの命令を複数の段階に分割してそれぞれを別の回路で実行することにより、いくつかの命令の実行を並行して進める方式。プロセッサ内部での一つの命令の実行は、命令の読み込み(フェッチ)、解釈(デコード)、実行など複数の段階からなるサイクルで構成されている。単純な構造のプロセッサでは前の命令実行のすべての段階が終了しなければ、次の命令に取り掛かることができない。
これに対し、パイプライン機構を備えたプロセッサは各段階のユニットを独立に制御でき、前の命令がデコードに移ったら次の命令をフェッチするといった動作が可能になる。理論的には実行段階の数(通常3~6段階程度)と同じ数の命令を同時に実行状態に起くことができ、一命令あたりの実行時間を大幅に短縮することができる。
各段階をさらに細かく分割し、それぞれにユニットを割り当てる方式を「スーパーパイプライン」と呼び、10段以上の深さのパイプラインを構成する場合もある。最も極端なパイプラインを持つことで有名な米インテル(Intel)社のPentium 4(ペンティアム4)プロセッサのパイプラインは20段構成となっており、同社はこれを「ハイパーパイプライン」と称した。
(2018.4.23更新)