3次キャッシュ 【third level cache memory】 L3キャッシュ
概要
3次キャッシュ(third level cache memory)とは、CPU(マイクロプロセッサ)などのICチップ内部に設けられたキャッシュメモリのうち、2次キャッシュに収まりきらないデータを格納するために設けられているもの。キャッシュメモリはプロセッサ内部に設けられた少容量の半導体メモリ回路で、メインメモリよりも高速に読み書きが可能となっている。メインメモリから読み込んだ命令やデータを保管しておき、次に必要になったとき高速に読み出すことができるようにする。
プロセッサの中には容量や実装方式の異なる複数段階の3次キャッシュを搭載しているものがある。このうち、実行回路が最も優先的に読み書きを行うものを「1次キャッシュ」(L1キャッシュ)、これに収まりきらないデータを格納するものを「2次キャッシュ」(L2キャッシュ)と呼び、2次キャッシュに収まりきらないデータを3次キャッシュに格納する。
3次キャッシュに収まらないデータは4次キャッシュ(L4キャッシュ)がある場合は4次キャッシュへ、ない場合はメインメモリへ格納される。3次キャッシュは1次キャッシュや2次キャッシュより読み書き速度は低速だが、これらより大きな容量を搭載している。
キャッシュメモリを3次まで用意するプロセッサ製品はあまり一般的ではなく、費用対効果よりもとにかく単体の性能向上を重視する一部のサーバ向けハイエンド製品に稀に見られるのみである。搭載している場合は十数MB(メガバイト)から数十MBと、2次キャッシュの数倍から十数倍程度の容量であることが多い。
(2024.7.6更新)