MMU 【Memory Management Unit】 メモリ管理ユニット
概要
MMU(Memory Management Unit)とは、コンピュータを構成する主要な装置の一種で、CPU(中央処理装置)からメインメモリ(主記憶装置)へのアクセスを補助するもの。仮想メモリ(仮想記憶)の管理などを行う。現代のコンピュータの多くは、メモリ装置内の記憶領域を「ページ」と呼ばれる一定のサイズの小さい領域に分割し、物理的な位置(物理アドレス)とは独立に仮想的な番地(仮想アドレス)を割り振ってアクセスできるようにしている。この仕組みを「仮想メモリ」(virtual memory:仮想記憶)という。
これにより、物理メモリ空間上に散らばった空き領域を束ねて連続した領域としてプログラムに渡したり、ストレージ(外部記憶装置)の記憶領域の一部をメモリの延長として連続的に管理し、物理メモリの容量以上のメモリ空間を確保することができるようになる。
MMUは主にこの仮想メモリの管理を行う役割を果たし、物理アドレスと仮想アドレスの対応関係を記録して相互に変換したり、要求されたページが物理メモリに存在しない場合にそのことをオペレーティングシステム(OS)に知らせたりする(ページフォールト)。
また、割り当てを受けていないプログラムからのページへのアクセスを拒否するメモリ保護機能やキャッシュメモリの制御などを行うものもある。製品によってはページング方式だけでなくセグメント方式やバンク切り替えなど他の方式によるメモリ管理を行う場合もある。
MMUはかつては単体でICチップなどとして提供され、主基板(マザーボード)に装着して使用したが、現代の一般的なCPU製品の多くはMMUの機能を内部に取り込み一体化している。
(2021.10.17更新)