パラレル通信 【parallel communication】 パラレル伝送 / parallel transmission / 並列伝送 / パラレル転送
概要
パラレル通信(parallel communication)とは、複数の信号線や回線を使って一度の動作で複数の信号やデータを送受信する通信・伝送方式。単一の通信路で順番に伝送するシリアル通信・伝送(serial communication)と対比される。数本から数十本の端子や信号線で並行して複数の信号を伝送する方式で、伝送路が多い分だけ通信速度を向上させやすい。ただし、端子間の伝送タイミングの同期を図る制御を行わなければならず、信号線間の電磁的な干渉(漏話)により伝送距離が伸びると通信品質が下がるといった難点もある。
もともとコンピュータ内部のICチップ間の伝送路(バス)やコンピュータ本体と周辺機器の通信など、近接した機器間の通信でよく用いられ、ISA、PCI、IDE、ATA、SCSI、IEEE 1284(セントロニクス仕様)などの通信規格がパラレル通信である。近年では伝送速度が向上するにつれてデメリットの方が大きくなってきたため、ATAがSATA(シリアルATA)になるなど近距離間の通信でもシリアル方式に移行する例が増えている。
パラレル方式の通信インターフェースを「パラレルポート」(parallel port)あるいは「パラレルインターフェース」(parallel interface)と言う。単にパラレルポートといった場合には、かつてパソコンに標準的に用いられていたセントロニクス仕様およびその派生規格を指すことが多い。
(2020.1.7更新)