ベースクロック【base clock】BCLK
概要

ベースクロックは、コンピュータ内部で各装置や回路の動作タイミングを合わせるために用いられる規則正しく刻まれる電気信号、またその周波数のことである。単位にはHz(ヘルツ)が用いられ、値が高ければ高いほど、各装置や回路間でのデータ伝送を高速に行うことができる。マザーボード上に搭載された「クロックジェネレータ」(clock generator)と呼ばれる部品がこの信号を一定間隔で発振しており、システム全体の動作の基準点となっている。
CPUやメインメモリ(RAM)、ストレージ、拡張カードなどは、「バス」(bus)と呼ばれる共通の伝送路を介してデータをやり取りする際、このベースクロックを基準に送受信タイミングを合わせる。複数の装置が互いにずれることなく連携して動作することが可能となる。システムバスの動作周波数を指す用語として使われていた時期もあるが、現在は伝送路ごとに複数のクロックが個別に管理される構成が一般的である。
現代のCPUは、半導体の集積度や設計の向上により、ベースクロックよりもはるかに高い周波数で内部回路を動作させている。この内部の動作周波数は「CPUクロック」(CPU clock)あるいは「コアクロック」(core clock)と呼ばれる。ベースクロックに一定の倍率を掛け合わせて算出され、この倍率を「クロック倍率」という。例えば、ベースクロックが100MHz、倍率が40の場合、CPUの内部動作周波数は4GHzとなる。倍率を変化させることで、外部との同期を保ったまま処理能力を調整したり、状況に応じて消費電力を抑えたりする制御が行われている。
ベースクロックはマザーボードのBIOS/UEFI設定で変更できる場合があり、これを上げることでCPUやメモリの動作速度を引き上げる「オーバークロック」が行われることもある。ベースクロックを上げすぎると信号が不安定になり、システムの動作不良や故障につながる場合があるため、メーカーが保証する範囲内での利用が前提となる。なお、CPUの仕様表に記載される「ベースクロック」は、ターボブースト等の自動加速機能を使用しない通常時の動作周波数を指す場合もあり、文脈によって意味が異なる点に留意する必要がある。