オンボードグラフィック【onboard graphics】オンボードビデオ
概要

コンピュータがディスプレイに映像を出力するには、画像処理専用のICチップ(グラフィックチップ/ビデオチップ/GPU)が必要である。オンボードグラフィックはこのチップの機能をマザーボード上の他のチップに統合した形態で、拡張カードを別途用意せずにグラフィック表示が行える。
かつては様々な制御機能を集約したチップセットにグラフィック機能を統合する方式が主流だったが、現在はCPU内部にグラフィック機能を内蔵した構成が一般的となっている。米インテル(Intel)社のIntel Coreシリーズに内蔵された「Intel Graphics」シリーズや、米AMD社のRyzenシリーズに内蔵された「Radeon Graphics」シリーズなどがよく知られる。米アップル(Apple)社のM1以降のSoCも、CPUとGPUを一体化した同様の構成を採用している。
オンボードグラフィックは画像処理や表示内容の保持に用いる専用メモリ(VRAM)を持たず、システムのメインメモリ(RAM)の一部を共用する。専用VRAMを備えたグラフィックカードと比べると描画性能は低い。しかし、Web閲覧、動画再生、オフィスソフトといった用途では十分な性能を発揮し、近年では4K解像度の動画のハードウェアデコードや複数ディスプレイ出力などに対応する製品も増えている。
製造コストや消費電力を抑えられるため、グラフィック機能が重視されないノートパソコンやビジネス向けデスクトップパソコンに採用されている。高精細な3Dグラフィックスを多用するゲームや、動画編集、画像生成AIの実行といった高負荷な用途には性能が不足する場合が多く、このような用途ではグラフィックカードを拡張スロットに装着して処理を担わせる構成が一般的である。システムの状況に応じてオンボードグラフィックとグラフィックカードを自動的に切り替えるハイブリッド構成も存在する。