ビープ音 【beep sound】
概要
ビープ音(beep sound)とは、電子機器の基板などに設けられた簡易なブザーが発する「ピー」「ピッ」という単純な電子音。ハードウェアの故障などを知らせる警告音、通知音としてよく用いられる。矩形波などの単純な音色、単一の音階の電子音で、コンピュータの場合はスピーカーなどから音楽や音声を発する通常のサウンド機能とは別に、マザーボード(主基板)に組み込まれたブザー回路から発する。
マザーボード上の回路や接続された装置に異常がありオペレーティングシステム(OS)が起動できない場合、サウンド機能は利用できないがビープ音を発することはできるため、ビープ音により利用者に異常を知らせることがある。
その際、音色や音階は変更できないが短い音(ピッ)と長い音(ピー)を使い分けることはできる機種が多いため、短音と長音の組み合わせで状態やエラーの種類を識別できるようにしている。音と状態の対応関係は基板メーカーにより異なるが、例えば短音1回は正常起動、短音2回だとCMOSエラー、長音2回だとメモリ異常といった具合である。
サウンド機能が拡張カードとしてオプションで提供されることが一般的だった時代にはビープ音が唯一の発音機能である機種も多く、プログラム上から音階を変更して音楽を鳴らすといった用途に用いられることもあった。
ベル文字 (BEL)
ASCII文字コードでは制御コード(制御文字)の7番(16進数で07)が「ベル文字」(BEL)として定義されており、この文字を出力すると画面に文字を表示する代わりにビープ音が鳴るようになっていた。プログラムがエラーを利用者に知らせるためにベル文字の出力で音を鳴らすというように使われていた。
(2021.11.16更新)