ポイントツーポイント 【Point-to-Point】 P-P接続
概要
ポイントツーポイント(Point-to-Point)とは、通信回線の接続方式の一つで、二台の機器や二か所の地点を一対一に接続すること。二台の機器をケーブルなどを介して直に接続して互いに信号を伝送し合う方式で、コンピュータと周辺機器の接続や、ホストコンピュータと端末(ターミナル)の接続などで古くから利用されている。
三者以上が参加するネットワーク型の回線網でもポイントツーポイント型の接続方式が用いられることがある。例えば、アナログ電話回線網では二者間の通話や通信を行う際に、交換機を用いて途中経路にある信号線を物理的に連結していき、他のネットワーク参加者から隔絶した二地点間の専有回線を構成する。
インターネット接続でも、ISP(インターネットサービスプロバイダ)の通信拠点と加入者側設備の間でPPP(Point-to-Point Protocol)やPPPoE(PPP over Ethernet)などのプロトコル(通信規約)を用いて一対一の接続を確立し、拠点側設備がインターネットとの通信を仲介・中継するという接続方式が広く普及している。
ポイントツーマルチポイント (P-MP接続:Point-to-Multipoint)
一台の機器から複数の機器、あるいは特定の地点から他の複数の地点へ一対多の接続を確立する方式を「ポイントツーマルチポイント」という。
拠点設備の単一の通信インターフェースなどを介して複数の端末などと同時に交信できるような通信方式を指すことが多い。ポイントツーポイントのみでは接続先ごとにインターフェースなどを用意しなければならないが、マルチポイント接続であれば相手先を選んで通信できるため拡張性が高い。
光ファイバーを用いた加入者回線網(FTTH)では、通信事業者側の終端装置(OLT)が複数の加入者回線を収容し、経路上にある分岐器(スプリッタ)によって各加入者ごとの信号を分離・合流するポイントツーマルチポイント型接続のPON(Passive Optical Network)技術が用いられている。