ジャンパスイッチ 【jumper switch】

概要

ジャンパスイッチ(jumper switch)とは、電子機器の設定などに使われる電気的なスイッチの一つで、剣山のように等間隔に並んだ端子(ピン)のうち隣り合ったピンを繋いだり離したりすることで状態を制御するもの。
ジャンパスイッチのイメージ画像

解説 電子基板や機器の筐体側面などに設けられるスイッチで、「ジャンパピン」あるいは「ショートピン」と呼ばれる長さ数ミリの垂直な金属製のピンが数ミリ幅の間隔で格子状に規則正しく並んでいる。一般的な製品は間隔が1/10インチ、約2.54mmになっているものが多い。

このうち、隣り合う一組のピン同士を「ジャンパプラグ」あるいは「ジャンパブロック」と呼ばれるブロック状の専用の器具で覆うと、ブロック内部の配線によってピン同士が通電し、スイッチ内の接続状態が変更される。ブロックを外すとピン間の接続は遮断させる。

小さなスイッチでは2本のピンと1つのブロックでオン・オフのみを制御するが、大きなスイッチにはたくさんのピンが剣山のように並んでいる。どのペアにブロックを差し込むか、あるいは、複数のブロックをどのように配置するかによって、複雑な設定状態を表現することができる。

これにより、機器の動作を規定する複数の設定項目を一箇所のジャンパスイッチで集中的に制御したり、オン・オフ式のスイッチでは表現しにくい数多くの選択肢を持つ設定項目をハードウェア的に制御することができる。ブロックの配置と設定状態の対応関係は、マニュアルなどの添付文書やスイッチの近くに貼られたシールなどに記載されるのが一般的である。

ジャンパスイッチは電子機器やプリント基板、ICチップの動作モードの設定などを行うための物理的なスイッチとして最も簡易な仕組みの一つで、ペン先ほどの小さなスイッチを一列に並べた「ディップスイッチ」と共に広く普及している。

以前はパソコンなどのコンピュータ製品でも、マザーボードや筐体前面などにハードウェア設定用のジャンパスイッチが用意されていたが、技術に通じた人以外には操作や状態が分かりにくく誤設定の原因ともなるため、BIOSセットアップなど画面上の操作で設定を完結させる方式が普及した。ジャンパスイッチによる設定を排除した製品を「ジャンパフリー」という。

(2025.9.10更新)

他の用語辞典による「ジャンパスイッチ」の解説 (外部サイト)