フェッチ 【fetch】

概要

フェッチ(fetch)とは、取りにく、取ってくる、持ってくる、連れてくる、来させる、呼び出す、引き出す、惹きつける、などの意味を持つ英単語。ITの分野では機器やプログラムなどが特定の場所からデータなどを読み出す動作のことを指すことが多い。

ソフトウェアネットワーク通信の分野では、データなどの受信側・需要側が(送信側・供給側から送られてくるのを待つのではなく)能動的に読み出しにく、相手に送信するよう要求する、といった意味合いでフェッチという用語が用いられる。特に、送信側が能動的に送り出す「プッシュ」(push)方式と対比して、一定時間ごとに受信すべきデータの有無を繰り返し確認する受信側の動作を指す場合があり、「ポーリング」(polling)とも呼ばれる。

マイクロプロセッサCPU/MPU)では、命令を実行する最初の段階で、命令コードインストラクション)をメインメモリ(またはキャッシュメモリ)から読み出し、プロセッサ内部のレジスタに転送する動作のことをフェッチという。フェッチされた命令はデコード(解析)されて実行に移される。フェッチにかかる時間を「フェッチサイクル」(fetch cycle)あるいは「命令サイクル」(instruction cycle)という。

また、CPUソフトウェアが将来必要になる(かもしれない)データなどを先取りして読み出しておくことで読み込み動作にかかる待ち時間を削減する手法が様々な分野で幅広く利用されており、そのような「先読み」方式のことを「プリフェッチ」(prefetch)という。

(2018.6.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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