APU 【Accelerated Processing Unit】 Fusion APU
概要
APU(Accelerated Processing Unit)とは、米AMD社の半導体製品の分類の一つで、CPUとGPUの機能を一つのチップに集積した統合プロセッサ。製品区分としては2011年から2016年頃まで用いられていた。同社の「AMD64」(x86-64)命令セットに対応した64ビットCPUに、RadeonシリーズなどのGPU(グラフィックスプロセッサ)を統合した製品で、2013年以降の製品はこれに加え周辺のチップセットに実装されてきたDDR3 SDRAMなどのメモリインターフェースや外部インターフェースを統合したSoC(System-on-a-Chip)となっている。
それまで複数に分かれていたチップを統合することでシステム全体ではチップ数を削減できるため、同じ機能なら低コスト・低消費電力が実現できる。CPUとGPUがプロセッサ内部で直接通信できるため、同世代製品の組み合わせよりもグラフィックス処理、ビデオ処理が高性能となる。
製品はモデルナンバーで区別され、最も広く展開している「AMD Aシリーズ」はA4シリーズ(A4-xxxx)、A6シリーズ(A6-xxxx)、A8シリーズ(A8-xxxx)、A10シリーズ(A10-xxxx)に分かれている。A4シリーズが最も廉価なモデルで、A10シリーズが最上位モデルとなる。同じシリーズの中ではxxxxの部分の数字が高いほど機能・性能が高い。
Aシリーズ以外にも、ノートパソコンなど向けの「AMD Eシリーズ」(E-xxx、E1-xxx、E2-xxx)、ネットブックなど向けの最も廉価な「AMD Cシリーズ」(C-xx)、高性能パソコン向けの「AMD FXシリーズ」(FX-xxxx)もあった。一部の製品はAthlonブランドやSempronブランドとしても販売されていた。
2017年にプロセッサ製品ブランドが「Ryzen」(上位モデル)と「Athlon」(廉価モデル)に再編されて以降、同社では製品区分として「APU」という用語を使わなくなったが、以降の同社の統合型プロセッサ製品群のこともAPUと呼び続ける人が多い。