ダイレクトマップ方式 【direct mapping cache】 ダイレクトマッピング方式

概要

ダイレクトマップ方式(direct mapping cache)とは、コンピュータ内部のメインメモリ(主記憶装置)とキャッシュメモリの間でデータ格納位置の対応付けをう方式の一つで、メインメモリアドレスに一定の計算をうことで直にキャッシュメモリ上の格納位置を算出する方式。

キャッシュメモリCPU処理装置メインメモリの中間に置かれる高速なメモリ装置で、メインメモリの内容の一部を保管しておきデータの読み出しを高速化する。その際、メインメモリのどの位置のデータキャッシュメモリのどの位置に格納するかを決定する方式がいくつかあり、それぞれ特徴が異なる。

ダイレクトマップ方式はこの方式の一つで、メインメモリアドレス(を表す整数値)に一定の手順で演算をい、その結果をそのアドレスに対応するキャッシュメモリ上の位置として用いる。演算の例としては、アドレスキャッシュメモリブロックの数で割った余りを求めるなどの方法がある。

メインメモリ上のアドレスからキャッシュ内の格納個所が一意に定まるため、読み出し時の探索時間が最も短く、実装も容易という特徴がある。ただし、キャッシュ内の格納位置が衝突する別のアドレスから読み出しをおうとすると自動的にキャッシュの入れ替えが発生するため、キャッシュヒット率は他の方式よりも低くなる。

一方、メモリアドレスとは無関係にキャッシュメモリ内の空いている領域にデータを格納する方式を「フルアソシアティブ方式」、キャッシュ内の複数のブロックを一つのセットにまとめ、メモリアドレスから算出したセット単位で対応付ける方式を「セットアソシアティブ方式」という。

(2023.8.25更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる