ノートパソコン 【notebook computer】 ノートPC

概要

ノートパソコン(notebook computer)とは、本に似た薄い形状の持ち運びが容易なパソコン製品。2枚の板状の部品を重ねた構造になっており、片方が液晶ディスプレイに、片方がキーボードになっている。CPURAMハードディスクなどの主要部品はキーボードの下に収納されており、側面や背面に拡張ポートや電源などの端子が配されている。

ノートパソコンの大きさや重さには様々なバリエーションがあり、主な用途も少しずつ異なる。A4版サイズ以上の大きな製品は画面も広く、光学ドライブなどの周辺機器も充実しており、各部品の性能も高いことが多いが、重量が2~3kgと重くて嵩張るため、頻繁に持ち運んで利用する用途には向かない。

こうした製品は企業や家庭などで省スペースの個人用パソコンとしてデスクトップパソコンの代わりに据え置きで利用することが多い。ゲーム用途を重視したデスクトップPC並みの高性能製品は「ゲーミングノート」とも呼ばれる。

B5版サイズ前後の製品は小さくて軽く、持ち運びに適した製品で「モバイルノート」などと呼ばれる。画面やキーボードが狭く、筐体サイズの制約から光学ドライブを搭載していない製品が多いなど、長時間使用や単体での運用には適さないが、パワーユーザーが外出時に携行する「2台目」用途などでの利用が多い。筐体の薄さやバッテリー持続時間を追求した製品が多いのもこのカテゴリの製品の特徴である。

さらに小型の手のひらサイズの廉価なノートパソコンも存在し、「UMPC」「ゲーミングポータブルPC」などと呼ばれる。画面サイズ10インチ程度以下、重量数百グラムの製品カテゴリである。当初はWeb閲覧やメールの送受信といった基本的なインターネット利用のための安価な製品カテゴリーを指していたが、近年ではモバイルゲーム機として用いるためのゲームコントローラー一体型製品などを指す。

英語では “laptop PC” (ラップトップPC)あるいは “notebook PC” (ノートブックPC)という。日本語では “notebook” のことを「ノート」と呼んでいるが、英語では “notebook” と “note” は別の概念で省略語の関係ではない(noteはメモ、注釈の意味で手帳の意味はない)ため、“note PC” という呼び方はしない。

(2024.6.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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