SQL Server
概要
SQL Serverとは、米マイクロソフト(Microsoft)社が開発・販売しているリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)。同社のオペレーティングシステム(OS)製品であるWindowsシリーズおよびLinuxで動作する。Windowsや同社の業務用ソフトウェア製品と緊密に連携して動作させることができ、Windows Server環境で構築された業務システムにおけるデータの保存・管理の基盤としてよく採用される。同社製品の中にはデータ管理用にSQL Serverを必要とするものもある。
業務用の大規模環境での使用を想定して設計されたDBMS製品であり、複数台のコンピュータを統合してミラーリングやフェイルオーバー、クラスタリングなど可用性を高める構成を取ることができる。利用者の認証や権限管理、暗号化などセキュリティ機能も充実している。
データベースの問い合わせには他のRDBMS同様SQL(Structured Query Language)を用いることができる。SQLを独自に拡張し、手続き型プログラミング言語に似た仕様を取り込んだ「Transact-SQL」(T-SQL)により、簡易なプログラムを作成して実行することもできる。
使用環境や規模に応じて、EnterpriseやStandardなど機能や制約条件の異なる複数のエディションに分かれている。機能が制限された無償版のSQL Server Express(旧MSDE:Microsoft Database Engine)も提供されており、テスト環境や開発環境、簡易なシステムの組み込み用途などで用いられる。
同社ではSQL Server以外にも、デスクトップ環境向けの「Microsoft Access」やクラウドサービスの「Azure SQL Database」などのデータベース製品を提供している。競合製品には米オラクル(Oracle)社の「Oracle Database」、米IBM社の「IBM Db2」などがあり、オープンソースの「MySQL」「PostgreSQL」ともよく比較される。