バウンダリ【boundary】バウンダリー

コンピュータでは、CPUがメインメモリにアクセスする際、一度に読み書きできるデータ長が32ビットや64ビットといった単位に固定されている。このCPUの処理単位の整数倍にあたるメモリ上のアドレスをバウンダリという。データの格納開始位置をバウンダリに揃えて配置する操作を「アライメント」(alignment)という。例えば、バウンダリが4バイト単位の場合、先頭アドレスが4の倍数になるようにデータを配置する。
格納するデータの長さがバウンダリの単位と一致しない場合、データの末尾から次のバウンダリまでの空き領域に「パディング」(padding)と呼ばれる無意味なデータを挿入して長さを揃える。パディングは実際の処理には使われないが、次のデータを適切なバウンダリ位置に配置するためだけに必要となる。
アライメントが守られているとCPUは一度のメモリアクセスでデータを読み書きできるが、データがバウンダリをまたいで配置されると一つのデータを読み出すのに2回のアクセスが必要になり、処理速度の低下を招く。このため、コンパイラやオペレーティングシステム(OS)は、データ構造をメモリに配置する際に自動でアライメントを調整することが多い。
通信ネットワークや情報セキュリティの分野では、内部ネットワークと外部ネットワークとの境界をバウンダリと呼ぶことがあるが、この意味では「ペリメータ」(perimeter)という表現の方がよく用いられる。この境界にファイアウォールを設置して不正な通信を遮断する手法は「境界防御」と呼ばれる。近年ではすべての通信を個別に検証する「ゼロトラスト」の考え方が普及し、境界の内外に着目するセキュリティ対策では不十分とされることが増えている。
(2026.6.29更新)