DDR3 SDRAM 【PC3】 Double Data Rate 3 SDRAM
概要
DDR3 SDRAM(PC3)とは、パソコンなどに使われる半導体メモリ(DRAM)の規格の一つで、DDR2 SDRAMを改良した第3世代のDDR SDRAM規格。主にパソコンやサーバのメインメモリとして利用されている。DDR3 SDRAMは同一の動作クロックで比較すると前世代のDDR2 SDRAMの2倍、当初のDDR SDRAM規格(DDR1)の4倍の高速なデータ伝送が可能となっている。消費電力の低減も進み、DDR1の2.5V/2.6V、DDR2の1.8Vに対して1.5Vの低電圧で動作する。
信号の仕様などはDDR2など従来品と互換性がなく、専用に設計された製品を用いる必要がある。メモリモジュールのサイズやスロットの幅はDDR1およびDDR2と同一だが、端子の途中にある切り欠きの位置が異なるため、古い規格用のスロットにDDR3モジュールを差し込む(あるいはその逆)はできないようになっている。
DDR3 SDRAMの規格は、「DDR3-xxx」のようにメモリの周波数を示す「チップ」と、「PC3-yyyy」のようにメモリの伝送速度を示す「モジュール」の二種類により規定される。例えば、「DDR3-800」はメモリクロック100MHz、バスクロック400MHzのDDR駆動(800MHz)で動作するチップで、「PC2-6400」は最大伝送速度6.4GB/sのモジュールである。
メモリチップ | メモリモジュール | メモリクロック | バスクロック | 転送回数 | 転送速度 |
---|---|---|---|---|---|
DDR3-800 | PC3-6400 | 100MHz | 400MHz | 800MT/s | 6.4GB/s |
DDR3-1066 | PC3-8500 | 133MHz | 533MHz | 1066MT/s | 8.533GB/s |
DDR3-1333 | PC3-10600 | 167MHz | 667MHz | 1333MT/s | 10.67GB/s |
DDR3-1600 | PC3-12800 | 200MHz | 800MHz | 1600MT/s | 12.8GB/s |
DDR3-1800 | PC3-14400 | 225MHz | 900MHz | 1800MT/s | 14.4GB/s |
DDR3-1866 | PC3-14900 | 233MHz | 933MHz | 1866MT/s | 14.93GB/s |
DDR3-2000 | PC3-16000 | 250MHz | 1000MHz | 2000MT/s | 16.0GB/s |
DDR3-2133 | PC3-17000 | 266MHz | 1066MHz | 2133MT/s | 17.07GB/s |
DDR3-2200 | PC3-17600 | 275MHz | 1100MHz | 2200MT/s | 17.6GB/s |
DDR3-2250 | PC3-18000 | 281MHz | 1125MHz | 2250MT/s | 18.0GB/s |
DDR3-2300 | PC3-18400 | 288MHz | 1150MHz | 2300MT/s | 18.4GB/s |
DDR3-2400 | PC3-19200 | 300MHz | 1200MHz | 2400MT/s | 19.2GB/s |
DDR3-2600 | PC3-20800 | 325MHz | 1300MHz | 2600MT/s | 20.4GB/s |
※ PC3-10600は10666/10667/10700などとも。PC3-14900は15000とも。PC3-17000は17066とも。
電子部品の業界団体JEDECが標準化した規格で、最初の仕様は2005年に発表された。その後、より高速な仕様が順次追加されている。2007年頃から本格的に普及し始め、2010年代半ばに後継のDDR4 SDRAMが登場するまで主流のメモリ規格だった。
(2020.5.22更新)