シングルランク 【single rank】 1Rx4 / 1Rx8

概要

シングルランク(single rank)とは、メモリモジュールの種類の一つで、内部のすべてのメモリチップに同時にアクセスする構造のもの。最も一般的なモジュール製品である。

パソコンサーバなどのメインメモリに用いられるメモリモジュールは小型の電子基板で、表面には複数のメモリチップ実装されている。外部とモジュールを繋ぐ伝送路(バス)が一度に運べるデータ量よりも、個々のチップが一度に読み書きできるデータ量は小さいため、データを均等に分割して複数のチップに並列にアクセスするようになっている。

シングルランクのモジュールは内部のメモリチップすべてに並列にアクセスする構造の製品である。例えば、バス幅64ビットで、一度に8ビットずつ読み書き可能なチップを8枚実装しているモジュールでは、書き込み時に64ビットを8分割して各チップに並列に書き込みを行う。読み込み時も8枚から並列に読み出し、連結してバスへ送信する。

一方、実装されているチップが多く、並列にアクセス可能なデータ量の合計がバス幅を超えるような場合には、チップを同じ数ずつ複数のグループに分け、グループごとに交互にアクセスする。このグループのことを「メモリランク」と呼び、2つのグループに分けるものを「デュアルランク」(dual rank)、4グループに分けるものを「クアッドランク」(quad rank)と呼ぶ。

デュアルランクモジュール製品が登場した当初は、基板の両面にチップ実装し、片面を一方のランク、裏面をもう一方のランクとするものがあったため、「片面実装ならシングルランク、両面実装ならデュアルランク」という理解が広がったが、片面でデュアルランクの場合も両面でシングルランクの場合もあり、チップの見た目ではランク構成を判断することはできない。

(2024.3.21更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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