DDR4 SDRAM 【PC4】 Double Data Rate 4 SDRAM

概要

DDR4 SDRAM(PC4)とは、パソコンなどに使われる半導体メモリ(DRAM)の規格の一つで、DDR3 SDRAMを改良した第4世代のDDR SDRAM規格。主にパソコンやサーバのメインメモリとして利用される。

DDR4 SDRAMは同一の動作クロックで比較すると前世代のDDR3 SDRAMの2倍、二世代前のDDR2の4倍の速度のデータ伝送が可能となっている。電源電圧はDDR3の1.5Vから1.2Vに下がり消費電力が削減されたが、一部の回路には別に2.5Vの電源を供給する必要がある。

標準のメモリモジュールDIMM)のサイズや形状はDDR3以前と変わらないが、入出力ピン数はDDR3の240ピンから288ピンに増え、ピン間の幅が縮まっている。DDR3DDR2など過去の規格とは互換性が無いため、マザーボードメモリモジュールはDDR4 SDRAMに対応した専用の製品を用意する必要がある。

DDR4 SDRAMの規格にはメモリの周波数を示す「チップ」とメモリの転送速度を示す「モジュール」の二種類により規定され、前者は動作周波数を元に「DDR4-xxxx」の形式で、後者はデータ転送速度を元に「PC4-yyyyy」の形で表記される。例えば、「DDR4-1600」はメモリクロック100MHzバスクロック800MHzDDR(1600MT/s)で動作するチップで、「PC4-12800」は最大伝送速度12.8GB/sのモジュールである。

メモリチップ メモリモジュール メモリクロック バスクロック 転送回数 転送速度

DDR4-1600

PC4-12800

100MHz800MHz1600MT/s12.8GB/s

DDR4-1866

PC4-14900

117MHz933MHz1867MT/s14.8GB/s

DDR4-2133

PC4-17000

133MHz1067MHz2133MT/s17.0GB/s

DDR4-2400

PC4-19200

150MHz1200MHz2400MT/s19.2GB/s

DDR4-2666

PC4-21333

167MHz1333MHz2667MT/s21.3GB/s

DDR4-2800

PC4-22400

175MHz1400MHz2800MT/s22.4GB/s

DDR4-2933

PC4-23400

183MHz1467MHz2933MT/s23.4GB/s

DDR4-3000

PC4-24000

188MHz1500MHz3000MT/s24.0GB/s

DDR4-3200

PC4-25600

200MHz1600MHz3200MT/s25.6GB/s

DDR4-3300

PC4-26400

206MHz1650MHz3300MT/s26.4GB/s

DDR4-3333

PC4-26600

208MHz1667MHz3333MT/s26.7GB/s

DDR4-3400

PC4-27200

213MHz1700MHz3400MT/s27.2GB/s

DDR4-4266

PC4-34100

266MHz2132MHz4266MT/s34.1GB/s

DDR4-4400

PC4-35200

275MHz2200MHz4400MT/s35.2GB/s

DDR4-4600

PC4-36800

287MHz2300MHz4600MT/s36.8GB/s

DDR4-4800

PC4-38400

300MHz2400MHz4800MT/s38.4GB/s

DDR4-5000

PC4-40000

312MHz2500MHz5000MT/s40.0GB/s

DDR4-5200

PC4-41600

325MHz2600MHz5200MT/s41.6GB/s

DDR4-5333

PC4-42666

333MHz2667MHz5333MT/s42.6GB/s

DDR4-5600

PC4-44800

350MHz2800MHz5666MT/s44.8GB/s
※ PC4-17000はPC4-17066とも。PC4-21333はPC4-21300とも。

DDR4 SDRAMの規格は電子部品の業界団体JEDECが標準化を進めており、最初の仕様は2012年に発表された。その後より高速な仕様が順次追加されている。2014年から本格的な普及が始まり、DDR3を徐々に置き換えて市場に浸透している。

(2020.5.22更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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