RAS信号 【Row Address Strobe signal】
概要
RAS信号(Row Address Strobe signal)とは、コンピュータのメインメモリに用いられるDRAMにデータの読み書きを行う際に、アクセス先の記憶素子の行(row)アドレスを指定するために用いられる信号。マザーボードやメモリモジュールなどに実装されたDRAMチップ内部には微細な記憶素子が格子状に規則正しく並んでおり、データの読み書きを行う際には対象となる素子の行(row)と列(column)のアドレス(番地)をそれぞれ指定する必要がある。
この列アドレス(column address)と行アドレス(row address)は一つの伝送路(アドレスバス)を用いて伝達される。RAS信号が有効(アクティブ)になっている間にアドレスバスで伝達されるデータは行アドレスを表し、CAS信号(Column Address Strobe)がアクティブな間に伝達されるデータは列アドレスを表す。
一般に先にRAS信号が、続けてCAS信号が送られ、両方のアドレスが揃うと指定された素子からデータの伝送が行われる。RAS信号からCAS信号への切り替えにかかる待ち時間を「RAS to CASディレイ」(RCD:RAS to CAS Delay)と呼び、小さいほど高速にデータを伝送できる。メモリチップの性能指標の一つとして用いられる。
(2024.1.17更新)