EEPROM 【E2PROM】 Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory

概要

EEPROM(E2PROM)とは、電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で、電気的に内容の書き換えができるもの。EPROMの方式の一つ。「E2PROM」と表記する場合は「E2PROM」のように2を上付き文字にすることもある。

通電しなくても内容が消えないメモリ素子に「ROM」(Read Only Memory)があるが、初期のROMはその名の通り製造時に内容が一度だけ記録され、後から消去や書き換えができない。これを改良し利用者側で一度だけ内容を書き込めるようにしたものを「PROM」(Programmable ROM)、繰り返し消去と再書き込みができるようにしたものを「EPROM」(Erasable Programmable ROM)という。

初期のEPROMは書き込みと読み込みは電気的に行うが、記録の消去は特殊な装置で紫外線を照射する必要がある「UV-EPROM」という方式だった。EEPROMは消去も電気的に行うように改良したもので、利用者は同じ装置で書き込み、読み込み、消去を繰り返すことができる。

RAMなど他のメモリ装置に比べると書き換え回数に限りがあり、動作速度も遅いため、コンピュータのメインメモリやストレージなどとして大量のデータを頻繁に書き換える用途には向いていない。機器の電源を落としても設定情報などを保持しておくことができる補助的な記憶装置などとして用いられることが多い。

EEPROMをさらに発展させ、動作速度や書き換え寿命を改善したメモリ素子を「フラッシュメモリ」(flash memory)という。大規模な利用に耐える特性や性能を持ち、磁気ディスクや光学ディスクに代わって高速なストレージ装置として広く普及している。

(2022.5.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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