メモリセル 【memory cell】 メモリーセル
概要
メモリセル(memory cell)とは、半導体メモリにおいて情報を記憶、読み書きする最小単位となる回路構成のこと。メモリチップは半導体基板上に微細な大量のメモリセルと配線を敷き詰めた構造となっている。コンピュータはデータをすべて“0”と“1”を組み合わせた2進数の値として扱うが、メモリセルではこれを電荷の有無など何らかの電気的あるいは磁気的な状態に対応付けて記憶する。外部から配線を通じて供給される電力と電気信号によって記憶の保持や読み込み、書き換え、消去などを行うことができる。
数センチ角の半導体チップの内部に数百万から数十億にも及ぶメモリセルを配線とともに形成したものがメモリチップで、このチップを電子基板にいくつか並べて実装したメモリモジュールを一つの単位としてコンピュータのメモリ装置やストレージ装置の記憶媒体として用いる。
多くのメモリ装置では、一つのメモリセルが0と1に相当する2状態のいずれかを取ることができる構造となっており、1ビットの情報を記録することができる。フラッシュメモリなどでは蓄える電荷などに複数の段階を設け、一つのメモリセルが3つ以上の異なる状態を取ることができるものもあり、1ビットを超える情報を記録することができる。
このような多値を取ることができるセルをMLC(Multi-Level Cell)と呼び、4値ならば2ビット、8値ならば3ビットをまとめて記録できる。これと対比する文脈では2状態1ビット記録のセルをSLC(Single-Level Cell)と呼ぶことある。
(2019.1.15更新)