Intel XMP 【Extreme Memory Profile】
概要
Intel XMP(Extreme Memory Profile)とは、米インテル(Intel)社が提唱しているメインメモリ(RAM)モジュールの拡張規格の一つ。定格よりも高い動作周波数にオーバークロックすることができる。パソコンなどのコンピュータ製品に用いるメモリモジュールの規格は業界団体のJEDEC(JEDEC Solid State Technology Association)によって標準化されており、DDR3 SDRAM、DDR4 SDRAM、DDR5 SDRAMなどの規格が発行されている。
例えば、「DDR4-1600」(PC4-12800)仕様であれば、メモリクロック100MHz(メガヘルツ)、バスクロック800MHz、転送速度12.8GB/s(ギガバイト毎秒)などと定められており、この情報はメモリモジュール内のSPD(Serial Presence Detect)と呼ばれるROMチップに記録されている。コンピュータの起動時にマザーボードがこれを読み取って周波数などを決定する。
XMPはこの動作設定に関する情報を拡張する規格で、メモリモジュールを本来の定格周波数よりも高い周波数設定(オーバークロック)で動作させたり、DDR4-4000のようなJEDEC標準には無い仕様で動作させることができる。モジュールとマザーボードの両方が対応している場合に利用でき、起動時にBIOSセットアップ(UEFI設定)画面で明示的に有効化する必要がある。
XMPはIntel社独自の規格であり、同社製のチップセットを搭載したマザーボードで利用できるが、米AMD社はほぼ同様の仕組みである「AMD EXPO」(Extended Profiles for Overclocking)を提唱しており、同社製のCPUやチップセットではこちらを利用する。メモリモジュール製品の中には両規格に対応しているものも多い。
(2022.12.15更新)