EPROM 【Erasable Programmable Read Only Memory】

概要

EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)とは、電源を断っても記録内容が消えない不揮発メモリの一種で、利用者側で繰り返し内容の書き換えができるもの。最も一般的なのは紫外線を照射すると内容が消去され再書き込み可能になる素子を用いたもので「UV-EPROM」とも呼ばれる。

製造時にデータを記録する通常のROMマスクROM)や一度だけ書き込み可能なPROM(Programmable ROM)は一度記録した内容の変更はできないが、EPROMは内容を消去して別の内容に書き換えることができる。とはいえ、RAMRandom Access Memory)のように指定した任意の番地の記録内容だけ選択的に消去・書き換えすることはできず、すべて消去して再度書き込むという形となる。

UV-EPROM

単にEPROMと言った場合は、紫外線を用いる「UV-EPROM」(UV:Ultra-Violet)のことを意味することが多い。これはチップを封入したICパッケージの上面の一部がガラス窓になっている製品で、ガラス部分からメモリチップ表面が覗いている。ここに専用の装置で紫外線を照射すると記録が抹消される。使用時にはガラスをシールなどで覆い、自然光に含まれる紫外線などが当たらないようにする。

何度も繰り返し消去と書き込みが可能だが、消去に紫外線照射装置が必要なため、コンピュータなどに組み込んで使う際は書き換えの度に取り外して専用の装置にかける必要がある。電子機器の開発時に、開発途上のプログラムなどを書き込んで実機に組み込んでテストするといった用途に用いられることが多い。

EEPROM

後に、特別な装置を必要とせず、コンピュータや半導体チップに組み込んだまま電気的に内容の消去・書き換えが可能な「EEPROM」(Electrically Erasable and Programmable ROM)が発明された。広義にはEEPROMとUV-EPROMを総称してEPROMということもある。

EEPROMをさらに発展させ、動作速度や書き換え寿命を改善したメモリ素子を「フラッシュメモリ」(flash memory)という。大規模な利用に耐える特性や性能を持ち、磁気ディスクや光学ディスクに代わって高速なストレージ装置として広く普及している。

(2023.8.17更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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