ARQ 【Automatic Repeat reQuest】 自動再送要求
概要
ARQ(Automatic Repeat reQuest)とは、通信の信頼性を高める誤り検出方式の一つで、相手方へデータが届いたか確認し、伝送途上で欠落したデータを再送する手法。移動体通信(携帯電話)やコンピュータネットワークなどで用いられる。最も単純な方式をSAW(Stop-And-Wait)方式という。送信側はデータを送信単位(フレームなど)ごとに一つずつ送信し、受信側は受信するたびに送達確認(ACK)を送り返す。一定時間待ってもACKが届かない場合(タイムアウト)、送信側はフレームを再送する。
伝送を効率化するために改良された方式もある。GBN(Go-Back-N)方式では、フレームごとに制御するのではなく「ウィンドウ」という送信枠を設定し、フレームに番号を付けてウィンドウサイズに達するまで次々に送信する。受信側はACK応答にフレーム番号を付けて返信し、一定時間ACKが返らなかった番号から送信が失敗したとみなし、その番号以降のフレームを再送する。
SR(Selective Repeat)方式は、ウィンドウサイズまで次々に送信し番号でどのフレームが届いたか確かめるのはGBN方式と同じだが、受信側で欠落した番号を検出し、送信側に再送を要求する。送信側は受信側からの要求に従って欠落したフレームのみを再送する。最も効率は良いが制御が複雑になる。
(2024.8.31更新)