DDR2 SDRAM 【Double Data Rate 2 SDRAM】
概要
DDR2 SDRAM(Double Data Rate 2 SDRAM)とは、パソコンなどに使われる半導体メモリ(DRAM)の規格の一つで、最初のDDR SDRAM規格を改良した第2世代のDDR SDRAM規格。これと比較・区別するために第1世代のDDR SDRAMを「DDR1」などと呼ぶことがある。DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)はコンピュータのメインメモリなどに用いるメモリモジュールとメモリチップの仕様を規定した標準規格で、業界団体JEDEC(JEDEC Solid State Technology Association)が仕様策定を行っている。DDR2 SDRAMはその第2世代の規格である。
外部入出力のためのバスクロックをメモリセルの駆動周波数(メモリクロック)の2倍(DDR駆動で4倍)とし、従来のDDR1の2倍、DDRでないSDRAM(SDR)の4倍の速度で動作する。駆動電圧もDDR1の2.5Vから1.8Vに引き下げられ、消費電力が抑えられている。
メモリモジュールのサイズやスロットの幅はDDR1と同一で、標準DIMMはピン数240本、携帯機器向けのSO-DIMMは200本である。端子の途中にある切り欠きの位置が異なるため、DDR1用スロットにDDR2モジュールを差し込む(あるいはその逆)はできないようになっている。信号の仕様などもDDR1など従来品と互換性はない。
DDR2 SDRAMの規格は、「DDR2-xxx」のようにメモリの周波数を示す「チップ」と、「PC2-yyy」のようにメモリの転送速度を示す「モジュール」の二種類により規定される。例えば、「DDR2-400」はメモリクロック100MHz、バスクロック200MHzのDDR駆動(400MHz)で動作するチップで、「PC2-3200」は最大転送速度3.2GB/sのモジュールである。
メモリチップ | メモリモジュール | メモリクロック | バスクロック | 転送速度 |
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DDR2-400 | PC2-3200 | 100MHz | 200MHz (DDR:400MHz) | 3.2GB/s |
DDR2-533 | PC2-4200 | 133MHz | 267MHz (DDR:533MHz) | 4.27GB/s |
DDR2-667 | PC2-5300 | 167MHz | 333MHz (DDR:667MHz) | 5.33GB/s |
DDR2-675 | PC2-5400 | 169MHz | 338MHz (DDR:675MHz) | 5.4GB/s |
DDR2-750 | PC2-6000 | 188MHz | 375MHz (DDR:750MHz) | 6.0GB/s |
DDR2-800 | PC2-6400 | 200MHz | 400MHz (DDR:800MHz) | 6.4GB/s |
DDR2-900 | PC2-7200 | 225MHz | 450MHz (DDR:900MHz) | 7.2GB/s |
DDR2-1000 | PC2-8000 | 250MHz | 500MHz (DDR:1000MHz) | 8.0GB/s |
DDR2-1066 | PC2-8500 | 267MHz | 533MHz (DDR:1066MHz) | 8.53GB/s |
DDR2-1150 | PC2-9200 | 288MHz | 575MHz (DDR:1150MHz) | 9.2GB/s |
DDR2-1200 | PC2-9600 | 300MHz | 600MHz (DDR:1200MHz) | 9.6GB/s |
DDR2規格はJEDECが2003年に策定し、2004年頃から従来のDDR1製品を置き換えて普及した。主にパソコンやサーバのメインメモリとして利用され、低電圧版が携帯電話などでも利用された。2009年頃から後継のDDR3 SDRAMの普及が進み、次第に取って代わられた。