SRAM 【Static Random Access Memory】 スタティックRAM / Static RAM

概要

SRAM(Static Random Access Memory)とは、読み書き可能な半導体メモリであるRAMの方式の一つで、一定時間ごとに記録内容の再書き込み処理(リフレッシュ動作)をう必要のないもの。

内容の書き換えが可能で電源断によって内容が失われるRAMRandom Access Memory)のうち、DRAMDynamic RAM)は記憶素子に内容を記録してから時間が経つと次第に内容が失われていくため、一定時間ごとに同じ内容を記録し直すリフレッシュ動作が必要で、稼働中は大きく電力を消費する。

一方、SRAMは記憶素子にフリップフロップ回路などを利用し、一度記録した内容は通電が維持される限り何もしなくても保持され続けるという特性がある。リフレッシュ動作が不要なため同規模の回路で比べるとDRAMより消費電力が少ない。

また、DRAMに比べて読み書きを高速にうことができるが、記憶素子の構造が複雑なため高密度化が難しく、記憶容量あたりの製造単価も高額となる。コストや容量よりも省電力性や高速性が求められる用途に適しており、コンピュータ内部ではCPUDRAMの中間に配置される高速なキャッシュメモリとしてよく利用される。

また、ハードディスク光学ドライブなどのストレージ装置ネットワーク機器ディスプレイプリンタなどの出力装置でも、伝送速度の異なる回路や装置間で円滑にデータのやり取りがえるよう、一時的にデータを溜めておくバッファ装置としてSRAMが広く利用されている。

SRAM自体は電源を落とすと内容が失われる揮発性メモリだが、読み書きをわずに単に記録を保持し続けるだけなら消費電力が極めて少ないため、SRAMと小型の電池を組み合わせ、機器本体の電源を落としても内容が失われない不揮発メモリのような永続的な記憶装置(バッテリーバックアップメモリ)として用いられることがある。

(2024.2.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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