揮発性メモリ 【volatile memory】
概要
揮発性メモリ(volatile memory)とは、データの記憶に用いられる半導体メモリの分類の一つで、外部からの給電が途絶えると記憶内容が失われる記憶素子を用いるもの。コンピュータのメインメモリ(主記憶装置)によく用いられるDRAMなどが該当する。メモリ装置は内部の半導体素子の動作原理の違いにより、通電している間だけ記憶内容を維持できる揮発性メモリと、給電が途絶えても内容が失われず永続する「不揮発性メモリ」(non-volatile memory/不揮発メモリ)に分かれる。
揮発性メモリの代表は「DRAM」(Dynamic RAM)であり、コンピュータが稼働している間に利用されるデータやプログラムを一時的に保管しておくメインメモリとして広く普及している。失われては困るデータはストレージ装置に格納することで永続的に保管する。
「SRAM」(Static RAM)も揮発性メモリだが、記憶の維持に微弱な電力しか必要としないため、電池やバッテリーと組み合わせ、本体電源がオフの時にも内容が失われないように構成したシステムがよく用いられる。永続的なデータ保管に利用されるため不揮発性メモリと勘違いされることもある。
一方、不揮発性メモリには「ROM」(マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなど)や「フラッシュメモリ」、「MRAM」、「FeRAM」などが含まれる。ROMから普及が始まったため不揮発性だとデータの書き込みができないと考えられがちだったが、その後の技術の進展でフラッシュメモリのように書き換え可能な素子が一般化している。
(2024.1.25更新)