CASレイテンシ 【Column Address Strobe latency】 CL

概要

CASレイテンシ(Column Address Strobe latency)とは、コンピュータのメインメモリに用いられるDRAM(Dynamic RAM)の特性および性能指標の一つで、アクセスしたい記憶素子の列アドレスを指定する信号(CAS信号)を送出してからデータが届き始めるまでにかかる遅延時間のこと。この値が小さいほど高速に入出力できる。

マザーボードメモリモジュールなどに実装されたDRAMチップ内部には微細な記憶素子が格子状に規則正しく並んでおり、データの読み書きを行う際には対象となる素子の行(row)と列(column)のアドレス(番地)をそれぞれ指定する必要がある。

行を指定するアドレス信号を「RAS信号」(Row Access Strobe)、列を指定するアドレス信号を「CAS信号」(Column Address Strobe)と呼び、CASレイテンシはCAS信号が発行されてから実際のデータの読み書きが行われるまでどのくらいかかるかを表している。

コンピュータの内部の回路群は処理や転送のタイミングを合わせるために一定周期で発せられるクロック信号に同期して協調動作しており、CASレイテンシはクロック信号何回分に相当するかで表される。例えば「CL=2」と言った場合はCASレイテンシが2クロック分必要であることを示している。これは現代のコンピュータではナノ秒(ns)単位の時間となる。

(2024.1.8更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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