AMD EXPO 【Extended Profiles for Overclocking】
概要
AMD EXPO(Extended Profiles for Overclocking)とは、米AMD社が提唱しているDDR5 SDRAM規格対応メインメモリ(RAM)モジュールの拡張仕様の一つ。定格よりも高い動作周波数にオーバークロックすることができる。パソコンなどのコンピュータ製品に用いるメモリモジュールの規格は業界団体のJEDEC(JEDEC Solid State Technology Association)によって標準化されており、DDR3 SDRAM、DDR4 SDRAM、DDR5 SDRAMなどの規格が発行されている。
DDR SDRAM系メモリ規格に対応したメモリモジュールには、対応する動作周波数などの情報を記録した「SPD」(Serial Presence Detect)と呼ばれるROMチップが内蔵されており、コンピュータの起動時にマザーボードがこれを読み取って周波数などを決定する。
EXPOはこの動作設定に関する情報を拡張する規格で、メモリモジュールを本来の定格周波数よりも高い周波数設定(オーバークロック)で動作させたり、JEDEC標準には無い仕様で動作させることができる。モジュールとマザーボードの両方が対応している場合に利用でき、起動時にBIOSセットアップ(UEFI設定)画面で明示的に有効化する必要がある。
EXPOはAMD社独自の規格であり、同社製のチップセットを搭載したマザーボードで利用できるが、仕様はライセンスフリーで公開されており他社製品に組み込むことも自由である。一方、米インテル(Intel)社はほぼ同様の仕組みである「Intel XMP」(Extreme Memory Profile)を提唱しており、同社製のCPUやチップセットでは主にこちらを利用する。メモリモジュール製品の中には両規格に対応しているものも多い。
(2022.12.15更新)