メモリ容量 【memory capacity】 RAM容量 / RAM capacity
概要
メモリ容量(memory capacity)とは、コンピュータに搭載されたメインメモリ(RAM)のデータ容量。この値が大きいほど、たくさんのソフトウェアを起動したり、大量のデータを処理したり、データ処理を高速に行うことができる。コンピュータはプログラムを実行する際、プログラムコードや処理対象のデータをメインメモリ(主記憶装置)に展開する必要がある。現代のコンピュータではメインメモリにRAM(Random Access Memory)と呼ばれる半導体メモリ装置が用いられるため、両者は同義語のように扱われる。
コンピュータ内部の主基板(マザーボード)には、メモリチップ(あるいはチップを複数実装したメモリモジュールと呼ばれる基板)が実装されており、チップ群が記憶できるデータ容量の合計がメモリ容量となる。現代の個人用コンピュータ(パソコンやスマートフォン)などでは数ギガバイト(GB)程度、サーバなど大型機では十数GBかそれ以上が搭載されていることが多い。
メモリ容量が大きいほど、CPU(処理装置)から直接アクセスできる範囲にたくさんのプログラムやデータを置いておくことができるため、たくさんのソフトウェアを起動して並行に動作させたり、大量のデータを呼び出していっぺんに処理したり、同じ処理を効率よく進めたりすることができるようになる。
RAMは電源を落とすと内容が消えてしまう揮発性メモリと呼ばれる装置であるため、プログラムやデータを永続的に保管しておくためにはストレージ(外部記憶装置)と呼ばれる記憶装置が別途必要になる。
パソコンではハードディスクやSSD、USBメモリなどが、スマートフォンやタブレット端末では内蔵フラッシュメモリ装置(内部ストレージ)やSDメモリーカードなどが該当し、記憶容量はメモリ容量の数倍から数百~数千倍と大容量になっている。
なお、現代のコンピュータではストレージの一部の領域をあたかもメインメモリの一部のように取り扱うことができる仮想メモリ方式が一般的であるため、システム上のメモリ容量の表記は必ずしも物理メモリ容量と一致するとは限らない。
また、機種やシステムの構成によってはメインメモリの一部をRAMディスクなどの仮想的なストレージとして利用したり、画面の表示内容を保持しておくビデオメモリ(VRAM)に流用することがあるため、プログラムなどが利用できる容量が物理容量より少なくなることがある。