3Dプリンタ 【3-dimensional printer】 3次元プリンタ / 3D printer
概要
3Dプリンタ(3-dimensional printer)とは、微細な材料を一層ずつ積み重ねて立体物を造形する装置。紙に印刷するプリンタのように、断面の形状に合わせて上から材料を吹き付けたり光線を照射したりすることからこのように呼ばれる。材料には石膏や樹脂、金属の粉末や液体が使われ、熱やレーザー、紫外線、接着剤などの作用により固化させて層を形成する。積層面に均等に配置した材料に、断面形状に合わせて上部から光線などを当てて固化させる方式と、材料そのものを断面形状に合わせて上部から噴射する方式がある。
工業的な大量生産手法に比べると装置や原料が高額で製造に時間がかかるため、一般消費者向け製品の大量生産などには向かず、試作のような一品物、あるいは、多品種・少量をオンデマンドで素早く提供するような用途に適している。
精度を高めるほど装置が高額になり造形に時間がかかるが、3D設計データと原材料があれば即座に製作することができ、工具や工作機械、職人的な技能の熟達が不要という利点がある。従来の製造法が苦手とする様々な部材や材料の一体成型、複雑な内部構造の造形などは得意である。
データを伝送・配布すれば同じ物体をどこでも誰でも同じように作り出せる点も今までにない特徴で、模型などの分野では立体物のデータ販売(購入者が自らの3Dプリンタで造形する)など新たな試みも行われている。
1980年代初頭に発明され、当初は高額な製品がほとんどだったため一部の特殊な業務用途で用いられていたが、2010年頃から個人向けの低価格製品の登場などを受け様々な用途で使われるようになった。
製造業を中心に、製品や部品の試作、デザインモデルの製作、可動部の機構検討、治具・工具・交換部品の製造などに用いられている。建築分野で建築模型の製作に用いられたり、医療分野でCTスキャンやMRIの画像を元に患部を再現した医療用モデルの製作に用いられることもある。
(2020.4.27更新)