ESC/P 【Epson Standard Code for Printer】
概要
ESC/P(Epson Standard Code for Printer)とは、セイコーエプソンが開発したプリンタ制御言語。同社製のドットインパクトプリンタやインクジェットプリンタに組み込まれたものが業界標準として他社にも普及した。もとは文字列を一行ずつ印字するラインプリンタを制御するためのもので、プリンタに送る制御コマンドの体系を定めている。1980年代までのドットインパクトプリンタが主流だった時代には多くのメーカーの製品が対応し業界標準的な存在だった。
インクジェットプリンタやレーザープリンタが普及するとPostScriptのようなページ記述言語やメーカー独自の制御仕様への移行が進み、エプソン製プリンタの制御言語という位置付けに戻ったが、POS端末向けのサーマルプリンタ製品だけは派生版の「ESC/POS」が業界全体に普及している。
ESC/POS以外にも、日本語対応を追加した「ESC/P J84」、NECのPC-PR201系プリンタの制御方式との互換性を加えた「ESC/Pスーパー」、レーザープリンタ用のページ記述言語(PDL)としての仕様を追加した「ESC/Page」などの派生版がある。インクジェットプリンタ向けの「ESC/P-R」は現在でも同社のインクジェット製品がサポートしているとされる。
(2024.1.17更新)