RTT 【Round-Trip Time】 ラウンドトリップタイム / 往復レイテンシ / ラウンドトリップディレイ
概要
RTT(Round-Trip Time)とは、通信相手に信号やデータを発信してから、応答が帰ってくるまでにかかる時間。相手との物理的な距離や、経路上で中継・転送する装置などの数や処理時間に左右される。電子回路や通信システムなどで、伝送にかかる時間を表す特性の一つとしてよく用いられる。双方向でやり取りを行うシステムの場合、回線などの時間あたりの伝送容量(帯域幅や通信速度)がいくら大きくても、RTTが大きければ送受信の度に大きな待ち時間が発生し、トータルの実効速度(スループット)や使用感は大きく損なわれる。
ラウンドトリップの削減
RTTそのものは物理的な信号の伝達などを伴うため削減するのは容易ではない。このため、通信システムの性能を向上させたい場合には伝送手順などを見直してやり取りの回数を減らす工夫が行われることがある。
インターネットで用いられるプロトコルには接続開始時にネゴシエーションやハンドシェイクのために何往復かやり取りを要するものがあり、その回数を減らす改良が行われてきた。「1-RTT」「2-RTT」のように接続確立までにかかるやり取りの回数の単位としてRTTが用いられる場合もある。
レイテンシ/レスポンスタイムとの違い
発信した信号やデータが相手に届き始める(あるいはその逆)までにかかる時間は「レイテンシ」(latency:遅延時間)と呼ばれる。多くの場合、RTTはレイテンシの2倍に相手方での処理時間(物理的な反射などの場合はゼロ)を加えたものとなる。
また、システムや装置などの応答や反応にかかる時間を表す場合、入力が完了してから出力が始まるまでの時間のことを「レスポンスタイム」(response time:応答時間)という。
(2024.1.24更新)