PSK 【Phase Shift Keying】 位相偏移変調

概要

PSK(Phase Shift Keying)とは、搬送波を不連続に変化させるデジタル変調方式の一つで、搬送波の位相の変化により伝送するデータを表現する方式。

送信側から同じ周波数および振幅の搬送波を送るが、送りたい信号に合わせて搬送波の位相を不連続に変化させ、受信側ではこの位相の変化を捉えて信号を検知する。

基準となる搬送波(の位相)を送信側と受信側で共有し、受信した波の位相そのものを検知する方式をCPSK(Coherent PSK)、あらかじめ基準信号を共有せず、位相の変化を検知して信号を取り出す方式をDPSK(Differential PSK)という。

振幅の変化を利用するASK周波数の変化を利用するFSKなどの他の方式に比べ、振幅も周波数も一定の搬送波を用いるため、占有する周波数帯域も狭くて済み、ノイズや信号の減衰の影響も受けにくい。PSKとASKを組み合わせて一度の変調で多くのを表せるようにしたものをAPSK(Amplitude Phase Shift Keying)という。

PSKでは位相を何段階に分けるかによっていくつかの方式があり、細かく分けるほど一度の変調でたくさんの情報を送れるが、位相の識別が難しくなり、受信時の誤りが発生しやすくなる。

最も単純な方式は位相が180度異なる互いに反転した波を組み合わせるBPSK(Binary PSK)で、それぞれの位相を0と1に対応付けることで一回の変調につき21ビットの信号を送ることができる。同様に、90度ずつ離れた4つの波を切り替えるQPSK(Quadrature PSK)では42ビットを、45度ずつ離れた8つの波を切り替える8PSKでは83ビットを送ることができる。

(2018.12.5更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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