TTL 【Time To Live】 生存時間

概要

TTL(Time To Live)とは、生存時間、残存期間という意味の英語表現で、ITの分野では機器間で送受信されるパケット情報などの有効期限、破棄されるまでの残り時間などを表す。

ルーティングにおけるTTL

IPネットワークにおけるIPデータグラムのTTLは、ネットワーク上での最大転送回数を表す。最大255までの整数が設定され、ルータなどの機器(ホップ/hop)を一回通過するごとにが1減少する。TTLが0になったパケットはその場で破棄され、破棄通知が送信元に送られる。

宛先までの転送回数に上限を設けることで誤設定などによるパケット無限ループを防止することができる。は送信元ホストが自由に設定できるが、ネットワーク上の距離が遠い場合はある程度大きいを設定しないと先方にたどり着く前に破棄されてしまうことがある。

当初は秒単位など実時間による記述を意図していたため、このような名称になっているが、実用上、経過時間を測定・記録することは困難なことから、代替の目安としてルータの通過回数を用いることになった。IPv6では同様の設定値を実態に即して「ホップリミット」(hop limit/ホップ制限)と呼んでいる。

DNSレコードのTTL

ドメイン名を管理するDNSDomain Name System)では、ドメイン情報キャッシュを保持する期間をTTLという。DNSでは、あるドメインについての情報を管理する権威DNSサーバの負荷を軽減するため、外部からその情報を問い合わせるDNSサーバは結果を手元の記憶装置に残し、以降の問い合わせには手元のデータを回答する。

この一時的な複製データDNSキャッシュ)の残存期間がTTLで、取得からTTLで示される時間が経過したキャッシュは破棄される。同じ情報が再度問い合わせされたら再び権威DNSサーバへ問い合わせをい、最新の内容をキャッシュする。

TTLは秒数で記述され、慣例として一般的には「86400」(24時間)に設定することが多い。ドメイン名IPアドレスの対応関係を変更する場合などには、事前にあえてこれより小さなを告知しておいて頻繁な再確認を促す場合もある。「0」を指定するとキャッシュ禁止を意味する。

(2024.3.29更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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