フラグシーケンス 【flag sequence】
概要
フラグシーケンス(flag sequence)とは、歴史的なデータ伝送方式のHDLCで、フレームの前後に挿入される「01111110」という8ビットの決まったビットパターン。フレームの開始を終了を表すフレーム同期パターンとして用いられる。HDLCはリンク層のプロトコル(通信規約)の一つで、1980年頃に米IBM社が大型コンピュータ(メインフレーム)の通信ネットワークを制御する方式として提唱し、ISO(国際標準化機構)によって標準化された。PPPやISDNなどの制御手順の基礎となっていることでよく知られる。
HDLCではデータの伝送単位をフレーム(frame)という。一つのフレームは先頭から順にフラグシーケンス-宛先アドレス-制御データ-伝送データ本体-フレームチェックシーケンス(FCS)-フラグシーケンスという構成で、フラグシーケンスが伝送内容を先頭と末尾で挟み込んでいる。
機器内部の通信制御回路は、接続された通信回線を流れる電気信号を監視し、フラグシーケンスが流れてきたらフレーム開始の合図とみなしてデータの受信処理を行い、もう一度フラグシーケンスが流れてきたらフレーム終了の合図とみなすして受信処理を終了する。
伝送内容そのもの(アドレス部~FCSの間)にフラグシーケンスと同じビットパターンが出現するとそこで終了と誤認されてしまうため、送信側では連続して5ビットの「1」が出現したら次に強制的に「0」を挿入(ゼロインサート)し、受信側では5ビット連続の「1」の後の0は削除して元のデータを復元する処理を行う。
(2023.11.15更新)